瀧羽麻子『うさぎパン』

「パン」がキーワードになってくるのはもちろん分かっていたのですが、「うさぎパン」とは一体……。

うさぎパン (幻冬舎文庫)

うさぎパン (幻冬舎文庫)

 

 「左京区シリーズ」と一緒の感覚で読んでいたらまさかの人物登場でびっくり。ですがデビュー作の今作も同じように愛くるしいストーリーでした。短めで、かわいいタイトルに表紙。取っつきやすいし、ケータイ小説という名の恋愛小説好きの子たち、ぜひ瀧羽さん読んでみて!(司書の叫び)

 

おまけ短編「はちみつ」も「うさぎパン」のスピンアウト作品で楽しませてくれます。本編「うさぎパン」でパン屋巡りをする主人公優子とボーイフレンド富田くん。食べ物の描写で埋め尽くされる「はちみつ」。タイトルもそうですが、全編通してキーとなる食べ物たち。「七夕通り」がファッションなら「うさぎパン」は食べ物。おそらくどちらも著者のこだわりのあるもので、それらが作品を通して垣間見えることは、なんだか少し面白いですよね。今後も瀧羽さんの作品を読みたいです。