瀧羽麻子『左京区七夕通東入ル』

合宿から帰ってからちょっと疲れ気味。暑い館内にいたせいか熱射病かもしれません。みなさんもご注意ください。

 

さて、今回はひょんなことから知った瀧羽麻子さんの本。

左京区七夕通東入ル

左京区七夕通東入ル

 

 生徒に薦められる恋愛小説を、なんて言っていながら今回は自分がハマっていましたね。文庫の裏表紙のあらすじにある通り、とにかくキュート。主人公の花ももちろんかわいいですが、何より作品全体に広がる愛らしさが読み手を癒してくれます。

 

舞台は京都で、主要キャラクターの殆どが大学生。著者が京大卒ということからなんとなく予想はついていましたが、舞台のモデルも京大です。私も何度か行ったことがあるので、読んでいて「あー、あそこね」なんて一人で頷いていました。

不思議な魅力の持ち主「たっくん」に惹かれていく花の心の動きももちろん、登場する愛すべき「冴えない理系3人組」も読んでいて楽しいです。そして何より京都の街がいきいきと描かれていることが大きな魅力です。舞台の描き方がいいと、自分もその小説の世界に入っていきたくなるものですから。著者の瀧羽さん自身、京都にとても思入れがあるのでは、と読んでいて感じました。

 

実はこの作品すでに続編が出ており、第3弾も現在連載中だそうです。まだまだ楽しめる「左京区」シリーズに注目です。