LLブック『わたしのかぞく なにが起こるかな?』

 たまたま立て続けにこの本のご紹介をいただいたので、私も情報をシェアしたいと思います。

 

わたしのかぞく (LLブック)

わたしのかぞく (LLブック)

 

公共図書館の高齢者サービスだったか、学校図書館特別支援教育の関係の文脈だったか、どの本で読んだのか今では思い出せませんが、「やさしく読める本」ことLLブックの名前は海外図書館事情に関する資料で何度か目にしていました。

 

最近戴いたこの本(『わたしのかぞく なにが起こるかな?』)のチラシによると、LLブックの「LL」とは、スウェーデン語で「やさしく読める」という意味の言葉の略のようです。

 

本によって、写真、絵、ピクトグラム、読みやすい文章が、使われます。読者は、知的障がいや、自閉症、読み書き障がい、失語症などの障がいがある人、日本に住んでいる外国人や高齢者などで、読むことがにがてな人たちです。彼らに、本を読む楽しみが届くことを願って作られています。

                       (「あとがき」より)

 

とのこと。個人的にこれらの本がどのようなものなのか気になっていましたが、当時は確かめる方法がありませんでした。しかし今ではもう日本製のLLブックが全国流通を始めています。しかも100ページを超えているのに値段は1,000円(+税)。素晴らしいこと。

 

実は、ある人からこの本『わたしのかぞく なにが起こるかな?』を見せてもらうことができました。白黒写真で同じメンバー(かぞく)が登場する連作です。1編5ページくらいでしょうか?各編タイトル以外に文字はなし。字のない絵本、と言いますか4コマ漫画のようです。それが計9編。

そのうちの1作「デート」なんかはカップルがキスしようと顔を近づけあって、読んでいてちょっとドキドキ(笑)9編合わせてもとても短いですが、それぞれが読んでいて面白かったです。

 

 

この本をきっかけにもしLLブックが日本に普及してきたら、学校図書館でも購入の検討をしていく必要があると思います。その前に、一足早くLLブックを読んでどのようなものか知っておくことも大事ではないでしょうか。いかがでしょう。

 

↓編者の一人川﨑先生の文章です。過去の作品「はつ恋」のダウンロードも可。

LLブックという試みから考えること|川﨑 千加|日文エッセイ140 - 日本語日本文学科