ハンク―ちょっと特別なボクの日常―第1話感想
ディスレクシアの男の子が主人公のドラマ
ディスレクシアである主人公ハンクが活躍するコメディドラマ「ハンクーちょっと特別なボクの日常ー」(原題「Hank Zipzer」)。Eテレにて本日7月22日より全6回の放送が始まりました。毎週水曜日19:25~19:50に放送です。
元気いっぱいの12歳の少年ハンクは、頭の回転が速くて行動力はバツグン。だけどディスレクシア(読み書き障害)で文字や数字が苦手。学校では毎日大ピンチで先生にはおこられてばかり。でもハンクはいつもユニークなアイデアでピンチを切りぬける。家族や親友だって支えてくれるし、ハンクはくじけない。今日失敗したって、明日がある!(HPより)
コメディということで暗い雰囲気はほとんどなし。爽快なほどに動き回るハンクは見ていてとにかく楽しいです。第1話「教室がナイアガラ!」は夏休み明けの初登校日。ハンクはいきなり4段落の作文を宿題に出されます。
「ひとつの文を書くのも大変なのに、4段落の作文なんて。さらに僕の字、ニワトリの足跡みたいだし」
「僕が学習障害だって知ってるのに」
「作文最悪!脳みそも最悪!なんでちゃんと書けないんだよ!」
ハンクは苦悩しきり。でもオリジナリティ溢れるアイデアと、理解ある家族、親友に助けられながら問題を解決していきます。
ハンクが作文を読むシーンがあるのですが、そこでノートの文面が大きく揺れてハンクが文章を読み間違えるという描写があります*1。現実にはそううまくはいかないのでしょうが、ミスにもめげずトークでみんなを巻き込んでいくハンクの人間性には、ドラマであるにも拘わらず惹きこまれてしまいます。おもしろい、このドラマ!
原作はヘンリー・ウィンクラーの自伝的な児童書
実はこのドラマには原作があり、ハンクと仲良しのロック先生を演じる俳優ヘンリー・ウィンクラーの自伝的な児童書とのことです。どの本なのかはちょっとわかりません。それにしてもヘンリー・ウィンクラーってとても有名な方なんですね。道理で見たことあるわけです。
ディスレクシアについての情報
学校に勤め初めてはや数か月、以前より増してディスレクシアが他人ごとではないことを痛感しています。自身もっと勉強していかなくてはと思うばかりです。
・ハンク -ちょっと特別なボクの日常-[ディスレクシアってなに?]|NHK Eテレ 海外ドラマ(番組HPのディスレクシア解説)
・NHK バリバラ(同じくEテレのバリアフリーバラエティ番組。毎週日曜日夜7時から放送中。7月26日、8月2日では「ハンク」とのコラボ特集を行う予定だそうです)
・資料紹介
怠けてなんかない! ディスレクシア~読む書く記憶するのが困難なLDの子どもたち
- 作者: 品川裕香
- 出版社/メーカー: 岩崎書店
- 発売日: 2003/10/29
- メディア: 単行本
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高い評価を得るディスレクシアを扱ったシリーズ本の第1作。ハンクの撮影より10年ほど前の作品であり、イギリスではなく日本の実例が盛り込まれているという違いもあるのでしょうが、とにかく読んでいて目を覆いたくなるつらいエピソードが多いです。苦しむ本人がいて、苦しむ親がいて、対応の仕方がわからなくて困惑する教師がいて……。ディスレクシアについて知りたい人への入門書としてはかなりいい出来なのでは。
・ドラマ「ハンク」見どころ紹介動画
*1:クスッと笑う校長には腹が立ちますが、演出で悪者役をしているということで。