神戸新聞「村上春樹さん高1でケッセル愛読 神戸の母校に貸し出し記録」

今年もノーベル文学賞で話題となった村上春樹さんですが、数日前、村上さんの母校の図書館に村上さんの貸出履歴を記した帯出者カードが発見されたとする記事が神戸新聞に掲載されました。

業界の方でしたらもうすでにご存じだとは思いますが、以下まとめです。

 

神戸新聞NEXT|文化|村上春樹さん 高1でケッセル愛読 神戸の母校に貸し出し記録

 当該記事。愛読していた作家の名前を晒すなど、もし本人の了解を得ていないとすればプライバシー保護の観点から問題ありでは?記事の執筆者は「世界的な作家」と褒めているつもりなのでしょうが、著名人だから掲載は構わない、ということでしょうか。

 

togetter.com

疑問視する人々などによるまとめ記事です。

余談ですが、図書館利用者の秘密を守るという点について。図書館の自由に関する宣言の前文の6は以下の通りとなっています。

ここに掲げる「図書館の自由」に関する原則は、国民の知る自由を保障するためであって、すべての図書館に基本的に妥当するものである。(図書館の自由に関する宣言

このことから、学校図書館だから自由に関する宣言の理念は適応外である、ということはないでしょう*1。ただ言うまでもなく自由に関する宣言は一集団の宣言であり、法律ではありません。よって法的拘束力はもち得ません。ですが当該自治体の個人情報保護条例を引くまでもなく生徒の秘密を公開するのはさすがに問題です。

改めて学校図書館法を見てみると、そういえば図書館利用者の秘密を守る等文言はないのですね。

 

 

他にもこんな記事も。 

toshokannet.blog10.fc2.com

 

bylines.news.yahoo.co.jp

 

明日自由委員会が神戸新聞に面談予定だそうです。

 

*1:ただその図書館やそこの司書が日本図書館協会の会員でないとなると自由に関する宣言は無関係ではないか、と言った意見も聞いたことがあります。もっとも日本図書館協会と全くの無縁な図書館はなかなかありませんが。